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「このままフリーターでいいのかな」「でも、正社員なんて今さら無理かも」——そんな不安を抱えていませんか。結論から言うと、20代のフリーターは、正社員になれる可能性が十分あります。公的な調査では、若手の採用選考で職業経験より「意欲」を挙げた事業所のほうが多数でした。
この記事では、フリーターを続けた期間が1年・4年を境に正社員になれた割合が下がるというデータを確かめたうえで、現実的な手順・狙い目の職種・つまずきやすいポイントを順に解説します。読み終わるころには、いつまでに何をすればいいかが決められます。
早く動くほど、選べる先は多い
フリーターを続けた期間と、正社員になれた割合
まず、公的な調査を見ておきます。労働政策研究・研修機構(JILPT)が2021年に行った調査では、フリーターから正社員になろうとした人のうち、実際に正社員になれた割合が、フリーターを続けた期間別に集計されています。男女とも、3〜4年では約6〜7割だった割合が、4〜5年になると男性で5割程度・女性で3割程度まで、20〜30ポイント近く急落します。
| フリーターを続けた期間 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 3〜4年 | 約6〜7割 | 約6〜7割 |
| 4〜5年 | 5割程度 | 3割程度 |
※調査ページの概要には「回収率39.5%」とありますが、報告書本文(図表序-2)の記載は上のとおりです。リンク先で数字が違って見えるのはこのためです。
つまり、正社員を目指して動いた人のうち、3〜4年の時点では6〜7割が正社員になれています。動かなかった人は含まない数字ですが、「フリーターだから正社員は無理」ということはありません。
下がり方には、やや上下のぶれや逆転もあります。ただしおおまかに見ると、フリーター期間が1年を超えたところで正社員になれる割合が下がり、4年を境にさらに下がります。
1年と4年に段差がある、という見方です。ただし報告書自身が「やや上下のブレや逆転はある」「おおまかに見ると」と断っているとおり、きれいな階段になっているわけではありません。「1年を過ぎたら急に不利になる」と読むのではなく、傾向としてそういう向きがあると受け取ってください。
そのうえで言えるのは、動き出すのが早いほど選べる先が多いということです。「早く動けば受かる」という意味ではありません。同じように正社員を目指して動いても、フリーター期間が長い人ほど、実際になれた割合は低かった——調査が示しているのはそこまでです。
※この調査は東京都在住の25〜34歳が対象で、20〜24歳は含まれていません。また同じ報告書は、フリーターから正社員に転換する割合はこの5年間で減少したとも報告しています。
選考で重視した点を、事業所にたずねた結果
厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」で、若年正社員の採用選考を行った事業所に、重視した点をたずねた結果(複数回答)です。
| 選考で重視した点 | 中途採用者 | 新規学卒者 |
|---|---|---|
| 職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神 | 72.7% | 79.3% |
| コミュニケーション能力 | 66.9% | 74.8% |
| マナー・社会常識 | 58.1% | 58.6% |
| 業務に役立つ職業経験・訓練経験 | 42.3% | 14.7% |
| 学歴・経歴 | 23.1% | 22.4% |
※2つの列は、それぞれの区分の採用選考を行った事業所を100とした割合です。
回答した事業所では、経験より「意欲」を挙げたところのほうが多いという結果ですが、応募先の1社が同じとは限りません。
卒業後3年以内なら、新卒枠に応募できる場合がある
学校を卒業してから3年以内なら、新卒枠に応募できる場合があります。国は「青少年の雇用の促進等に関する法律」にもとづく指針で、事業主に対して「既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること」を求めているためです(厚生労働省リーフレット「卒業後3年以内の既卒者は、「新卒枠」での応募受付を!」/資料番号LL021102開若01)。ただし「努めること」なので、すべての会社が受け付けているわけではありません。実際にどれくらいの事業所が受け付けているかは、既卒から正社員になるにはで厚労省の調査とあわせて解説しています。
正社員を目指す3つの方法を比較
正社員を目指すルートは大きく3つ。それぞれ向き・不向きがあります。
| 方法 | 特徴 | 先に知っておくこと |
|---|---|---|
| ハローワーク(わかものハローワーク) | 国の窓口。求人の紹介から職業相談、応募書類の相談まで受けられる | 拠点によって支援の内容や規模が違う。行く前に確認しておくと空振りしない |
| 求人サイトで自分で探す | 求人を自分で検索して応募する。数は多い | 書類も面接も自力。何を基準に選ぶかは自分で決めることになる |
| 就職エージェントに相談 | 担当者が求人紹介・書類添削・面接対策までまとめて担当する | 登録すれば必ず面談まで進めるとは限らない。民間企業なので、後述の「タダではありません」も読んでください |
まず相談先を1つ持ちたいなら、ハローワークが使えます。とくにわかものハローワークは、正社員就職を目指す若い人向けの窓口です。ただし支援の内容や規模は拠点によって異なるので、行く前に確認しておくことをハローワークは20代に使えるか|エージェントとの違いと使い分けにまとめました。
この3つは、どれか1つを選ばなければいけないものではありません。ハローワークとエージェントを並行して使っている人もいます。「何から始めればいいか分からない」段階であれば、求人紹介・書類・面接対策を一度の面談でまとめて相談できるぶん、就職エージェントは最初に踏む段数が少なくて済みます。
正社員になるまでの5ステップ
やることを分解すると、意外とシンプルです。
ステップ1:方向性をざっくり決める
「どんな働き方をしたいか」「絶対に避けたいことは何か」をメモするだけでOK。完璧な自己分析は不要です。ざっくりでも方向があると、後の判断がぶれません。
ステップ2:応募書類を用意する
履歴書と職務経歴書(アルバイト経験も書けます)を準備します。最初にやるのは、アルバイトで任されていたことを書き出すこと。シフトの作成、新人の指導、レジ締め、在庫の発注——「言われたことをやっていただけ」と思っていても、続けてきた人にはたいてい書けることがあります。職歴欄の具体的な書き方は履歴書の職歴欄|アルバイト・派遣・契約社員の書き方にまとめました。書き方に自信がなくても、エージェントやハローワークで添削してもらえます(ただし、エージェントに登録すれば必ず面談まで進めるとは限りません)。
書き方の型は職務経歴書の書き方、応募先ごとの伝え方は志望動機の書き方で解説しています。
ステップ3:求人に応募する
1社に絞らず、複数に並行して応募するのが効率的です。書類選考は通らないこともあるので、応募数を確保しておきましょう。
ステップ4:面接対策をして受ける
フリーターからの就職では、「なぜ正社員になりたいのか」「これから頑張れるか」がよく見られます。想定質問に答えを用意しておけば、当日落ち着けます。よく聞かれる質問と答え方は転職面接でよく聞かれる質問15選にまとめています。
ステップ5:内定・入社
複数内定が出たら、条件や雰囲気を比べて選べます。ここまで来れば、あとは新しい一歩を踏み出すだけです。
狙い目の職種・業界は、求人の数で見る
職種によって、求職者1人あたりの求人の数は大きく違います。求人が多い職種は、それだけ応募できる先の数が多いということです。
ハローワークが扱った求人と求職から計算した有効求人倍率(求職者1人あたり何件の求人があるか)で見ると、次のようになります。営業・施工管理・介護・販売・接客・ITは、いずれも全職業の平均を上回っていました。
この倍率は「求人の数」であって、「受かりやすさ」ではありません。求人が多い職種は、選べる先が多いということです(人気の高い一般事務は0.28倍まで下がります)。「未経験歓迎の求人が多い」という言い方も求人サイトでよく見かけますが、この表で分かるのは求人の数まで。未経験で応募できるかどうかは、求人票の応募条件で1件ずつ確かめられます。
職種ごとの詳しい話は未経験から営業職・未経験からITエンジニア・未経験から事務職にまとめています。
ポイントは、「やりたいこと」だけで絞りすぎないこと。まずは間口の広い分野で正社員としての一歩を踏み出し、そこから経験を積んでキャリアを広げる、という考え方も現実的です。
フリーターがやりがちなNG行動と回避法
つまずく人には共通パターンがあります。先に知っておけば避けられます。
NG1:とりあえず手当たり次第に応募する
数だけ増やしても、志望動機が薄いと通りません。「なぜこの会社か」を一言でも用意しましょう。
NG2:職歴の空白やフリーター歴を隠そうとする
隠すと面接で深掘りされたとき苦しくなります。正直に、「その間に何を考え、これからどうしたいか」を前向きに話すほうが、深掘りされても答えが続きます。
NG3:一人で抱え込んで動けなくなる
「準備が完璧になってから」と考えているうちに時間だけが過ぎるのが、一番もったいないパターン。書類も面接も、プロに頼りながら進めれば十分間に合います。
気持ちの不安に答えるQ&A
フリーター歴が長いけど大丈夫?
20代であれば、フリーター歴があるだけで応募できなくなるわけではありません。選考で重視した点として「学歴・経歴」を挙げた事業所より、「意欲」を挙げた事業所のほうが多くなっていました。長さを気にするより、これからどう働きたいかを自分の言葉で言えるようにしておくほうが、準備としては確実です。
学歴に自信がないけど?
学歴を応募条件にしていない求人もあります。求人票には応募条件が必ず書かれているので、応募する前に1件ずつ確かめられます。高卒の方は高卒から正社員になるにはで、狙いやすい職種や求人倍率のデータもあわせて解説しています。
20代後半だけど遅くない?
遅くありません。ただし本文で見たとおり、同じように正社員を目指して動いても、フリーター期間が長い人ほど実際になれた割合は低くなっていました。「早く動けば受かる」という意味ではありませんが、動き出すのが早いほど選べる先は多くなります。
どのサービスを使えばいい?
フリーターから正社員を目指すなら、対象として「フリーター」「既卒」を明記しているエージェントを選ぶと、そもそも自分が紹介の対象に入っているかを先に確かめられます。ただし、タダではありません。エージェントは採用が決まった企業から報酬を受け取っています。面談の時間も取られますし、合わなければ断る手間もかかります。その手間に見合うだけ選択肢が広がるかで決めてください。
フリーターを対象に含むかどうかは、登録する前に確かめられます。第二新卒エージェントneoの対象は19歳〜29歳で、第二新卒・高卒・中卒・既卒・フリーターを前提にしたサービスです。面談拠点は東京・大阪・名古屋・福岡の4か所です(出典:公式サイト/2026年9月7日確認)。年齢がここを外れているなら、フリーターを対象に含む別のサービスを探してください。
経歴に自信がなくても正社員へ
詳しい評判は第二新卒エージェントneoの評判
※登録すると、面談の日時と場所を自分で予約する形です。初回は基本的に来社で、Web面談を希望するときは問い合わせが必要です(出典:公式サイト/2026年9月7日確認)。
どれか1つに絞る必要はありません。担当者との相性もあるので、2社ほど登録して比べるのがおすすめです。
今日からできる最初の一歩(チェックリスト)
- 「どんな働き方をしたいか」を3つメモする
- 相談先を1つ決める(ハローワークでも、就職エージェントでも)
- 面談・相談の日を決める
- アルバイト経験を書き出しておく(面談で使えます)
まずはこの4つだけでOK。完璧を目指さず、動き出すことが何より大事です。
手続き・利用についてのよくある質問
Q. お金はかかりますか?
A. 求職者からは費用を取らない仕組みです。就職エージェントは採用が決まった企業から報酬を受け取っています。ハローワークは国の窓口なので、こちらも費用はかかりません。
Q. 働きながら(バイトを続けながら)進められますか?
A. 可能です。多くの人がアルバイトを続けながら就職活動をしています。面談もオンラインや土日に対応してもらえます。
Q. 相談したら必ず就職しないといけませんか?
A. いいえ。まずは情報収集や相談だけの利用でも大丈夫です。合わなければ途中でやめても問題ありません。
まとめ
20代のフリーターには、正社員になれる道が十分あります。ただし公的な調査は、フリーターを続けた期間が1年、そして4年を境に、正社員になれた割合が下がっていくことも示していました(東京都在住25〜34歳・母数は正社員になろうとした人)。「いつか」ではなく今の期間のうちに動くほうが、選べる先が多いということです。
やることは、方向性を決め、書類を整え、応募し、面接を受ける——このシンプルな流れだけ。狙う職種によって求人の数には大きな差があり、営業・施工管理・介護・販売・ITはいずれも全職業計を上回っていました。相談先は、ハローワークでも、書類や面接までまとめて見てくれる就職エージェントでもかまいません。
不安な気持ちはよく分かります。でも、迷っている時間より、今日の小さな一歩が未来を変えます。


