「候補日はどう書けばいいのか」「都合が合わないと言っていいのか」「当日の朝に熱が出たらどうするのか」——そんなところで迷っていませんか。結論から言うと、面接メールの書き方に公的な決まりはありません。「24時間以内に返信」といったルールをよく見かけますが、出典のあるものは見つかりませんでした。
この記事では、1つだけ根拠のある話を先に片づけたうえで、日程調整・変更・Web面接・当日の連絡までを順に整理します。読み終わるころには、どの場面で何と書けばいいかが決まります。
メールでは「御社」と書かない
面接の連絡に返信するとき、多くの人が「御社」と書きます。これは文書では使いません。
「御社(おんしゃ)」という表現は口語体なので、文書には使いません。
メールは文書です。したがって「貴社」と書きます。「御社」を使うのは、面接で口に出すときです。
同じパンフレットには、会社以外に応募する場合の敬称も一覧になっています。20代の転職で出てきやすいものを抜き出すと、次のとおりです。
| 応募先 | 文書での敬称 |
|---|---|
| 会社 | 貴社 |
| 病院・医院 | 貴院 |
| 学校 | 貴校(大学・短大は「貴学」でもよい) |
| 幼稚園・保育園 | 貴園 |
| 財団法人・社団法人・NPO | 貴法人/貴団体 |
| 社会福祉法人・独立行政法人 | 貴法人 |
| 銀行 | 貴行 |
| 官公庁 | 貴省・貴庁・貴局・貴所・貴役所・貴役場 |
| 会計事務所・法律事務所 | 貴事務所 |
迷ったら「(法人名または事業所名)様」で構いません。これも原典に書かれています。協会・組合・個人事業主などを含む全体の一覧は、ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」に掲載のパンフレット(「応募書類の作り方」10ページ)で確認できます。
保育士・看護師・公務員などに応募する人は、上の表を先に見てください。応募先がそもそも「社」ではないからです。
ただし、「貴社」と書いた応募者が不利になる、というデータはありません。パンフレットが示しているのは「応募先に応じた敬称がある」というところまでです。評価が下がるかどうかは分かりませんが、正しい書き方のほうは分かっています。分かっているほうに合わせておく、という程度に受け取ってください。
(志望動機や自己PRでの使い分けは志望動機の書き方にも触れています)
出典:ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」に掲載の厚生労働省「応募書類の作り方」パンフレット(敬称一覧)/2026年9月10日確認
日程調整メールの返信
ここから先の例文は、すべて当サイトで作成したものです。公的な決まりはないので、会社名・日付・自分の情報を差し替えて、使いやすい形に直してください。
候補日を提示されたとき
いちばん多いパターンです。やることは3つだけ——お礼、選んだ日時を書く、締めの一言。
件名:Re: 一次面接の日程について(山田太郎) 株式会社〇〇 人事部 △△様 お世話になっております。山田太郎です。 このたびは面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。 ご提示いただいた日程のうち、下記を希望いたします。 9月3日(水)14:00〜 当日はよろしくお願いいたします。 -- 山田太郎 電話:090-1234-5678 メール:yamada@example.com
件名は変えずに「Re:」のまま返します。担当者は複数の応募者とやりとりしているので、件名を変えると追えなくなります。氏名を件名に足しておくと、探すときに見つけてもらえます。
選んだ日時は、必ず本文に書き出してください。「1番目の日程でお願いします」だけだと、認識のずれが起きます。曜日まで書くと取り違えを防げます。
自分から候補日を出すとき
「ご都合のよい日時をいくつかお知らせください」と言われたときです。
件名:Re: 面接日程のご相談(山田太郎) 株式会社〇〇 人事部 △△様 お世話になっております。山田太郎です。 面接の機会をいただき、ありがとうございます。 下記の日程で伺えます。 9月3日(水)10:00〜18:00 9月4日(木)15:00以降 9月8日(月)終日 上記以外でも調整できる場合がございますので、 ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。 -- (署名)
候補は3つ以上、幅を持たせて出します。「9月3日14:00」とピンポイントで1つだけ出すと、相手の予定と合わなかったときにもう一往復かかります。
「上記以外でも調整できます」の一文を入れておくと、相手が動きやすくなります。在職中で時間が読めない人は、在職中の転職活動のコツもあわせて読んでください。
返信は早いほうが得です。マナーだからではなく、候補日が埋まる前のほうが選べるからです。他の応募者も同じ枠を見ています。
送るアドレスと署名
例文の末尾に付けている署名(氏名・電話番号・メールアドレス)は、返信のたびに毎回付けます。担当者が電話をかけたいときに、過去のメールを遡らせずに済みます。
気をつけたいのは送信元のアドレスです。在職中の人が、会社のメールアドレスから返信してしまうことがあります。会社のメールは会社の設備で、内容を確認できる状態になっている場合があります。転職活動には私用のアドレスを使ってください。
新しく作るなら、アカウント名を見直します。学生時代に作ったニックネームのアドレスは、そのまま採用担当者の受信箱に並びます。氏名をローマ字にしたものにしておけば迷いません。
携帯キャリアのアドレスは、設定によってはパソコンから送られたメールを受け取れません。面接の連絡が届かないのは避けたいので、パソコンでも確認できるアドレスにしておくほうが安全です。迷惑メールフォルダも、活動中は毎日見てください。
日程を変更してほしいとき
いったん決まった日程を動かすのは気が引けますが、黙って遅れるより先に言うほうが確実に良いです。
件名:Re: 一次面接の日程について(山田太郎) 株式会社〇〇 人事部 △△様 お世話になっております。山田太郎です。 9月3日(水)14:00からの面接についてご連絡です。 現職の業務都合により、当日の出席が難しくなりました。 一度お約束したにもかかわらず申し訳ございません。 下記であれば伺えます。 9月8日(月)終日 9月9日(火)15:00以降 ご調整いただけますでしょうか。 お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。 -- (署名)
謝罪は1回で足ります。繰り返すと本題が読みにくくなります。理由は一行で構いません。詳しく書く必要はありませんが、「一身上の都合」だと事情が伝わらないので、「現職の業務都合」「体調不良」程度は書くほうが親切です。
変更をお願いするときは、必ず代わりの候補日をセットで出してください。「変更をお願いします」だけだと、相手がもう一度候補を作る手間が発生します。
Web面接のURLが届いたとき
日程が決まると、そのままWeb面接のURLが送られてくることがあります。ここを「承知いたしました」だけで返すと、当日に困ることがあります。
返信のときに、2つ確認しておいてください。
- 事前に接続の確認ができるか——初めて使うツールだと、アプリの用意やカメラ・マイクの許可でつまずきます
- 当日つながらないときの連絡先——電話番号を教えてもらっておく
上の返信例に、次の2文を足すだけで足ります。
オンライン面接の件、承知いたしました。 初めて使用するツールのため、事前に接続の確認をさせていただけますでしょうか。 また、当日つながらない場合に備え、ご担当者様のお電話番号をお教えいただけますと幸いです。
当日つながらないときは、メールではなく電話です。理由は次の節と同じで、相手がメールを見ているとは限らないから。番号を先に聞いておくのは、そのためです。
画面の写り方や背景など、面接そのものの進み方は転職面接の流れとマナーにまとめています。
当日の遅刻・体調不良は、メールより先に電話
ここだけはメールではありません。当日の朝に電車が止まった、熱が出た——このときメールを送っても、担当者が読むとは限りません。
電話をかけてください。そのうえで、必要ならメールでも残します。
電話で伝えることは3つです。
- 名前と、今日の面接の予定(「本日14時から面接のお約束をしております山田です」)
- 何が起きているか(「電車が遅延しており、到着が15分ほど遅れる見込みです」)
- どうしたいか(「そのまま伺ってよろしいでしょうか」「日を改めていただくことは可能でしょうか」)
遅れる見込みが分かった時点でかけます。「間に合うかもしれない」と粘って、結局遅刻して連絡なし、が一番まずいところです。
つながらなかった場合だけ、メールを残してください。「お電話しましたがつながらなかったため、メールにて失礼いたします」と添えます。
面接を辞退するとき
他社で決まった、条件を見て気が変わった——辞退そのものは問題ありません。ただし、決めたらすぐ伝えてください。面接の枠は他の応募者が使えたはずのものです。
件名:面接辞退のご連絡(山田太郎) 株式会社〇〇 人事部 △△様 お世話になっております。山田太郎です。 9月3日(水)14:00からお約束しておりました面接につきまして、 誠に勝手ながら辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。 ご多忙のなか日程を調整いただいたにもかかわらず、 このようなご連絡となり申し訳ございません。 末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。 -- (署名)
理由は書かなくて構いません。「一身上の都合により」も不要です。書くとしても「他社より内定をいただいたため」程度で足ります。
面接の前日・当日なら、メールより電話です。読まれないまま当日を迎えると、相手は待つことになります。
内定が出たあとの辞退は、伝え方も期限の考え方も変わります。内定辞退の伝え方を読んでください。
エージェント経由なら、企業に直接メールしない
ここまで自分で書く前提の話をしてきましたが、転職エージェント経由で応募している場合は、企業に直接メールしません。
担当者が窓口になっているからです。企業とのやりとりを二重にすると、日程が食い違ったり、伝えたつもりのことが伝わっていなかったりします。日程調整も変更も辞退も、担当者に伝えれば代わりに動いてもらえます。
これは在職中の人にとっては大きい違いです。平日の日中に企業とメールを往復する必要がなくなります。エージェントの面談で聞かれることはエージェントの面談で聞かれることにまとめました。
エージェントを横並びで見たいときは転職エージェントおすすめ7選へ。
よくある質問
Q. 返信は何時間以内に送るべきですか?
A. 「◯時間以内」という決まりはありません。ただし候補日は先着で埋まるので、早く返すほど選べます。マナーの問題というより、自分の都合の問題だと考えてください。
Q. 深夜や早朝に送っても大丈夫ですか?
A. 送信時刻についての決まりもありません。気になるなら、メールソフトの予約送信を使ってください。送る時刻より、内容が正確かどうかのほうが重要です。
Q. 「Re:」は消したほうがいいですか?
A. 消さないでください。担当者が同じやりとりを追えなくなります。件名を変えるとしても、元の件名を残したうえで自分の名前を足す程度にとどめます。
Q. 返信が来ません。催促していいですか?
A. 1週間ほど経ったら、確認の連絡をして構いません。「◯月◯日にご連絡いたしました件について、いかがでしょうか」と事実だけを書きます。エージェント経由なら、担当者に確認してもらってください。
Q. 面接の翌日にお礼メールは必要ですか?
A. 必須ではありません。送っても評価が上がるという公的なデータはありません。送りたい場合は短く。
まとめ
- メールの書き方に公的な決まりはありません。「24時間以内」「営業時間内に」といった数字は、出典のあるものが見つからないので書いていません
- ただし敬称には基準があります。「御社」は口語体で、文書では「貴社」。病院は貴院、学校は貴校、法人は貴法人です
- 候補日は3つ以上、幅を持たせて出す。選んだ日時は曜日まで本文に書き出す
- 在職中の人は、会社のメールアドレスから返信しない。署名(氏名・電話・メール)は毎回付ける
- 変更をお願いするときは、代わりの候補日をセットで出す
- Web面接のURLが届いたら、事前の接続確認と当日の電話番号を聞いておく
- 当日の遅刻・体調不良は、メールより先に電話。読まれない可能性があるからです
- 辞退は決めたらすぐ。前日・当日なら電話
- エージェント経由なら、企業に直接メールしない。担当者が窓口です
出典:ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」に掲載の厚生労働省「応募書類の作り方」パンフレット(敬称一覧)/2026年8月22日確認
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